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2019年7月 6日 (土)

第54話 【世界遺産】百舌鳥・古市古墳群が大阪平野の東西に在るのは、そこに撓曲崖(とうきょくがい)が在ったから?

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 大阪府堺市の百舌鳥(もず)古墳群と、藤井寺市と羽曳野市にまたがる古市(ふるいち)古墳群が世界遺産に登録されました。

 日本最大の大仙陵古墳(仁徳天皇陵)をはじめ、2番目、3番目に大きな前方後円墳はこの地に在ります。

 なぜ、大阪平野の東西に巨大な前方後円墳が造られたのでしょう。

 『凸凹を楽しむ大阪「高低差」地形散歩』(新之介著・2016洋泉社)に、太古の大阪平野の様子が紹介されています。

 それによると約7千年から6千年前、縄文海進による海水上昇がピークに達した頃、大阪平野は河内湾の海の底でした。

 約5千年から4千年前、旧淀川や旧大和川から流れ出す土砂により陸化が進み、上町台地の砂州も北に延び、湾の入り口は狭くなります。弥生時代には河内湖となっていたようです。

 私は、縄文海進の数千年の間に、海や湖の汀(みぎわ)、河川の合流地点や湾曲地点に大量の砂鉄が堆積したのではないかと考えています。弥生時代の海退により砂鉄を採掘できるようになったのではないでしょうか。
 3世紀中頃に出現し7世紀に消滅する前方後円墳は、採掘残土で造ったモニュメントではないかと考え、砂鉄を掘り尽くしながら技術集団が日本列島を移動する様子をゴールド・ラッシュになぞらえ、アイアン・サンド・ラッシュ(「Iron Sand Rush」)と名付けてみました。

 以前、松帆銅鐸が淡路島西岸で見つかった際、縄文海進時代の地図を見て、堺で弓なりに曲がり、鉤鼻のようにせり出た上町台地と淡路島西岸の反りぐあいが似ていると感じました。
 それ以来、河内湾から外海に流出した砂鉄は潮流で運ばれ、堺あたりに大量に堆積したのではないかと考えてきました。

 NHK『ブラタモリ#134~古墳の町・堺』(2019年5月25日放送)で、仁徳天皇陵は微高地に在り、海岸線に向かいゆるやかな坂が続いていることが紹介されていました。 
 タモリさんいわく、「断層は固いので極端にずれるが、地盤がやわらかいと粘土みたいに、“ふによっと”たわむんです」 
 タモリさんの言葉を聞き、この辺りの上町断層帯が切り立った断層崖でなく、ゆるやかな撓曲崖(とうきょくがい)だったことで、砂鉄を含む土砂を微高地に運ぶことができたのではないかと感じました。古墳が海岸線に平行してつくられているのは、土砂を最短距離で効率よく運搬したからではないでしょうか。

 ところで“百舌鳥耳原”という地名の由来に、鹿の耳から百舌鳥が飛び去るという日本書紀の怖い話があります。
 陰陽五行色体表を見ると、百舌鳥の“舌”は“太陽”にあたり、“耳”は“太陰”にあたります。鉱業に影響を与えたとされる陰陽五行説で解読すると、“百舌鳥耳原”は“太陽太陰の地”となり、本来は鉱業の特別な地を意味していたのかもしれません。

 さて古市古墳群はどうでしょう。

 本棚から新之介さんの第2弾『凸凹を楽しむ大阪「高低差」地形散歩 広域編』(2017洋泉社)を取り出し、「古市」のページを見てみると、そこに羽曳野撓曲が描かれていました。
 奈良盆地に流れ込む河川は旧大和川に集約され、生駒山地の切れ目を通って古市で河内湖に流れ込みます。そこに撓曲崖が在ったことで、砂鉄が拡散せず大量に堆積したのではないでしょうか。

 「百舌鳥・古市古墳群が大阪平野の東西に在るのは、そこに撓曲崖があったから」かもしれません。
 
 4番目に大きな前方後円墳は岡山県に在り、纏向、大和・柳本、佐紀など奈良盆地の古墳群は、広大な沼沢地があった時代の周縁部に在ります。
 
 これらの謎に、アイアン・サンド・ラッシュという発想で迫れないでしょうか。

 

 追伸 
 前方後円墳の周濠は砂鉄を採取する装置で、ため池は水量を調整する装置ではないかと考えていると、当時のレアアース・砂鉄が流出しないようハスを植え、レンコンの収穫にあわせ砂鉄を採取する風景が浮かんできました。


(但馬二千年桂 Tajima Nisennen Katsura)

 

但馬二千年桂 古代史 目次 コチラ


参考図書

窪田蔵郎著『鉄から読む日本の歴史』(講談社学術文庫2003)

 

 

新之介著『凸凹を楽しむ大阪「高低差」地形散歩』(洋泉社2016)

 

新之介著『凸凹を楽しむ大阪「高低差」地形散歩 広域編』(洋泉社2017)

 

 

 

 

 

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